「HSP」と「SPS」という言葉を聞いたことはありますか?
どちらも、「刺激を受けやすい」「人の気持ちや周囲の変化に気づきやすい」といった特徴に関係しています。そのため、「HSPとSPSは同じもの?」「HSPとSPSにはどのような違いがあるの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
結論からいうと、HSPはその特性を持つ「人」を表す言葉、SPSはその人が持つ「特性・性質」を表す言葉と考えると分かりやすくなります。
この記事では、HSPとSPSの意味や違い、HSPは病気なのか、どちらの言葉を使えばよいのかについて、わかりやすく解説します。
HSPとSPSの基本的な違い
HSPは「Highly Sensitive Person」の略で、日本語では「非常に敏感な人」「高感受性者」などと表現されます。
一方、SPSは「Sensory Processing Sensitivity」の略で、日本語では「感覚処理感受性」と呼ばれています。
SPSは、刺激に対する感受性の高さや、情報をより深く処理しやすい傾向などを表す気質的な特性です。
つまり、HSPとSPSの関係は次のように整理できます。
SPS=特性・性質
HSP=SPSという特性を持つ人
HSPという言葉は一般の人にも分かりやすく、自分自身の特徴を説明するときによく使われます。一方、心理学や研究の場面では、個人の特性を表す用語としてSPSが使われることがあります。
SPSは「単に刺激に敏感」という意味ではない
SPSという言葉から、「音や光に敏感なことだけ」をイメージする人もいるかもしれません。
しかし、SPSには感覚刺激への反応だけでなく、情報の受け取り方や処理の深さ、感情面での反応など、さまざまな側面が含まれます。
たとえば、次のような傾向です。
- 周囲の小さな変化に気づきやすい
- 情報を深く考える傾向がある
- 刺激が多い環境で疲れやすい
- 感情的な反応が強くなりやすい
- 芸術や音楽などの刺激を深く味わいやすい
- 人の表情や声の変化を敏感に感じ取りやすい
つまり、SPSは「感覚が鋭い」という一部分だけを指すのではありません。環境から受け取った情報に対する反応の個人差として研究されている、幅広い特性です。
HSPは病気や障害ではない
HSPについて理解するときに大切なのは、HSPが医学的な病名や診断名ではないということです。
SPSも、病気そのものを意味する言葉ではありません。
SPSは、人によって程度が異なる連続的な特性として研究されています。そのため、「HSPか、HSPではないか」という完全な二択で考えるよりも、「どの程度その傾向があるのか」と捉えるほうが適切です。
また、「HSPだから必ず生きづらい」「HSPだから必ず内向的」というわけでもありません。
刺激の多い環境では負担を感じやすい一方で、安心できる環境や良い経験から、より大きな影響を受ける可能性もあります。感じ方や反応の表れ方は、人によって異なります。
なお、強い不安や疲労感、気分の落ち込みなどが続き、日常生活に支障がある場合は、HSPだけで判断せず、医療機関や専門家に相談することも大切です。
HSPとSPSの違いを表で整理
| 項目 | HSP | SPS |
|---|---|---|
| 正式名称 | Highly Sensitive Person | Sensory Processing Sensitivity |
| 日本語 | 非常に敏感な人、高感受性者 | 感覚処理感受性 |
| 表すもの | 特性を持つ人 | 人が持つ気質的な特性 |
| 主な使用場面 | 日常会話、自己理解 | 心理学、研究、専門的な説明 |
| 病気・診断名か | いいえ | いいえ |
このように、HSPとSPSはまったく別のものというより、人を表す言葉と、その人が持つ特性を表す言葉という関係にあります。
どちらの言葉を使えばいい?
日常生活で自分の特徴を説明するときには、「HSP」という言葉が分かりやすいでしょう。
一方、ブログや研究などで科学的な概念として説明する場合には、「SPS(感覚処理感受性)」という言葉を併記すると、より正確に伝えられます。
たとえば、次のように説明できます。
HSPとは、SPS(感覚処理感受性)という特性が比較的高い人を指す言葉として広く知られています。
このように表現すると、HSPとSPSの関係を理解してもらいやすくなります。
HSPとSPSを正しく理解しよう
HSPとSPSは、まったく別々のものというより、
「人」を表すHSPと、「その人が持つ特性」を表すSPSという違いがあります。
「私はHSPかもしれない」と感じたときも、それを病気や欠点として捉える必要はありません。
自分がどのような刺激を受けやすく、どのような環境で疲れやすいのかを知ることは、自分に合った生活環境や過ごし方を考えるきっかけになります。
まずは「敏感だからダメ」と決めつけるのではなく、自分の感じ方や反応の特徴を知ることから始めてみましょう。
※この記事では、**「HSP=人」「SPS=特性」**という説明を軸にしていますが、研究上はHSPという言葉とSPSの関係をもう少し厳密に扱う必要があります。特に近年はSPSの測定方法や構造についても研究が進んでいるため、「HSP=SPSが高い人」と単純化しすぎない表現にしています。
【情報源】
Aron et al. (2012)「Sensory Processing Sensitivity」
Greven et al.「Sensory Processing Sensitivity in the context of Environmental Sensitivity」
The Highly Sensitive Person(Elaine Aron公式サイト)


